ジェーンに学んだ距離感

ジェーン(Jane Wood )は、私の学んだホメオパシーの学校の先生です。

彼女に4年間、自己内省するトレーニングを受けました。

 

これって何かというと、

自分が物事をどのように捉えたかを

淡々と観察する練習なのです。


毎週ジャーナルを提出します。

題材は自分に起こった事など、なんでもよくて

それについて自分が思ったことを、正直に書いていくだけ。

 

それが良かったとか、悪かったとかの判断は要りません。

ジェーンがジャッジすることもありません。

 

自己内省はちょっと時間をおいて、

変化した考えなども書いていきます。

その感じた事、考えた事を、正直に書いていく。

 

ジェーンはいつも温かく見守ってくれました。

行き詰ったときには、別の視点を提案してくれました。

 

ホメオパスの仕事は、

クライアントさんに「似た状態のレメディーを探す」ことです。

 

その状態を観察する自分に勝手な思い込みがあっては、

分析を間違ってしまいます。

自己内省は、自分の偏見に気付くトレーニングでした。

 

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また、ホメオパスとはカウンセラーのように助言をしませんが、

セラピストという存在ではあります。

すなわち、道具(レメディー)を携えて

クライアントさんの自己内省の旅に同行する人。

 

イギリスはホメオパシーがずいぶん浸透している国ですが、

セラピストはハードな仕事でもあります。その結果、

ホメオパスを辞めていく・・・。

ジェーンはそういう人たちも少なからず見てきたので、

セラピスト教育にも力を注いでいます。

 

自分がクライアントだったら、どういう人に相談したいかを考える。

クライアントさんとの間にバウンダリー(境界線)を引く。

定期的に、自分も誰かに相談する。

など、質のよい仕事を維持するために必要なことを提案し続けています。


特に駆け出しの頃はうまく線引きができずに

疲弊してしまうセラピストって、多いのです。

 

ジェーンの下で自己内省するトレーニングを積んだおかげで、

自分なりの、問題の受けとめかた、寝かせ方、取り組み方を

見つけ出すことができました。

 

学校を卒業した今は、以前ほど頻繁にジェーンとやりとりすることはありません。

ですが、今も静かに温かく見守られている感じがします。

 

この程よい距離感を、私も仕事をする上で大切にしているんです。