年の瀬に、辰巳芳子さんを思い出す

 

漫才王者を決めるM-1グランプリ。

スポーツの試合を見るようで、大好きです。

 

司会に上戸彩ちゃん。久しぶりに見たら、

なんとも柔らかな雰囲気になっていてとても素敵でした。

 

あの雰囲気は、娘時代の私には感じ取れなかっただろうな。

人の魅力は厚みから醸し出されるものにある、と気付いたのはごく最近です。

 

 

そんなことから思い出されたのが、料理研究家の辰巳芳子さん。

 

「おにぎりの具が真ん中に入っているでしょう?

あれ、なんでなのかしらねえ。ごはんを半分ぐらい食べ終わったところに、

いきなり濃い味の具が出てきたって困るでしょう。」

 

これを聞いてなるほど!と気づいて以来、私は具を外側に出すようにしました。
料理とは「理(ことわり)を料(はか)る」ことなんですね。

 

 

辰巳さんは文筆家でもあります。

理から。心から。芸から。

どの入り口から入ってもその道の人を唸らせつつ、

今まで知らなかった景色を見せてもらえるような、全てが融合された文章です。


「“愛とは、対象の上に善きことを願う意志である”という定義がある。・・・」


この一文を読んで、私はやっと「愛」というものが腑に落ちました。


料理という手仕事から思索を深めておられる辰巳さんの発する言葉は、

地に足が着いています。

 

おそらく、なにかを求めている方にも届く言葉があるはず。

こちら で少しですが、お話しされていることを読めますよ。