高野文子さんの本

るきさん。

この本に出会ったのは、20年ほど前のこと。

バブルな世の中で、飄々と一人暮らしを楽しむ女性を描いた漫画です。

 

興味の対象が世間一般とはちょっと違っている、るきさん。

だからといって世の動きに背を向けているわけでもなく、

無理するわけでもなく。 楽しそうなんですよね。

 

わー、なんだー?このマンガ、と大好きになりまして。

同時に、作者の高野文子さんにも興味が湧きました。

 

ほどよいペースで質のいい作品を発表されている方です。

そのスタンスも好きで。

 

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その高野文子さんが、自然科学本の案内書を2014年に出されています。

もちろん、まんがで。

 

高野さんは、ある編集者の女性がいつも鞄に

科学者が書いた本を入れているので

ちょっと借りて読んでみられたそうです。

 

湯川秀樹。中谷宇吉郎。牧野富太郎。朝永振一郎・・・。

 

その時に、今までにない読後感を味わわれ、その気持ちをこう表現されています。

 

「乾いた涼しい風が吹いてくる」

 

自然科学の本が好きになったそうです。

 

小さい子供は、空から雪が舞い降りてくるのを飽きずに眺めていたりしますよね。

そのとき、その子は創造や自然科学の世界の入り口に立っているのだと思います。

 

そんな小さい子の気分になって読める本です。

「ドミトリーともきんす」