牛乳を「噛め」と言った日本人の知恵

 

私(40代)の祖父母の頃まで、

日本人には牛乳を飲むとお腹を壊す人が多かったようです。

 

だから飲まない人も多かったのですが、

飲むときは「よく噛んでから飲み込みなさい」と教えられたんだよーって

私の母は言ってました。

あなたはこんな話聞かれたことありますか?

 

牛乳についてはまあ、いろいろと指摘されていますが

牛の赤ちゃんを育てるお乳は、人のそれよりも高分子(分解に手間がかかる)

なので、なかなか消化できないからというのが、理由の一つです。

 

でもすごいなあと思うのは、牛乳はなんだか身体に合わないから

「よく噛んだほうがいい」と直観した昔の人たちですね。

何度も噛むことが、消化の助けになると気づいていたわけです。

 

 

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「話をよく咀嚼する」なんていいます。

 

パッと聞いて分からない事は、何度もそれを噛んでみると分かるんですね。

 

 

そういえば私は中学3年生の頃、

あるおじいちゃんの家に数学と理科を教えてもらうため、通っていました。

 

このおじいちゃん、家に電話を引いてなかったので

会いに行かないと連絡が取れませんでした。

 

夏は扇風機もない中、首にかけたタオルで汗をふきふき

練習問題を見てくれます。

「分からん所はどこね?」

ここだというと、問題を読み上げては、

それをしばらく「・・・うーん・・・」と考えます。

そして、広告の裏紙に鉛筆で書いて説明してくれました。

私が分からない所は、問題を分けて、

ひとつひとつ確認してから次を教えてくれました。

 

このおじいちゃんの

「何度も読んで、分解して考える」というやり方は、

遅いように見えて、じつは確実に難解なものを

消化できる方法だったんじゃないかなあと

汗臭いタオルの記憶と共に思い出されるのです。

 

んんん?と思った食べ物や問題は、「よく噛んでみる」といいのですね。